【2025年版】楽天の株主優待・楽天モバイル無料はいつ発表?時系列で読むIRの流れ
結論(2025年10月29日現在)
2025年分(第29期・12月末基準)の楽天「株主優待」告知はまだ出ていませんが、過去の傾向を踏まえると12月上旬の平日午後(おおむね15時台)が本命だと私は見ています。初めて“楽天モバイル1年間無料(音声+30GB)”が登場した年に権利落ち後の発表に見えたのは、配当(無配)の決定と同じ取締役会で優待拡充を決め、その場で適時開示したためです。
今年(2025)の見通し
昨年(第28期)は、2024年12月6日 15:30(JST)に「翌期の株主優待」を先出しで公表しました。これを踏まえると、今年も12月第1〜2週の平日午後にTDnetや公式サイトで告知される公算が高いと考えています。
なお、公式優待ページは現在「第28期の申込は5/30で終了」といった案内のみで、今年分の掲載はまだありません。
楽天の優待は、2023年の制度新設→2024年の“無料化”→2024年末の継続発表と、徐々にパターンが定着しつつあります。今年も12月上旬の発表が濃厚ですが、仮に中旬を過ぎても告知がない場合は、再び配当決定を伴う2月中旬の取締役会で発表される可能性もあります。
“遅く見えた年”はなぜ起きたのか
初めて優待が楽天モバイルのデータ通信無料へと変更されたのは2023年12/26の権利取得日前日で、かつ1年無料ではなく保有株数に合わせて数か月無料という内容でした。しかし、その後“1年間無料(音声+30GB)”が2024年2月14日に示されました。このときは2023年12月末基準の優待に対して、同日の取締役会で「配当は無配」と決議し、その代替として優待を拡充した形になりました。つまり、配当政策と優待施策をセットで判断していたため、結果的に権利落ち後の発表に見えたわけです。
当時の楽天は、モバイル事業の赤字が続き(2025/10時点でも赤字ですが)、資金繰りにも注目が集まっていました。配当を出さずに終わる代わりに、株主に実質的なメリットを残す手段として「モバイル1年無料」を打ち出したのは、キャッシュアウトを抑えながら企業イメージを維持する狙いもあったと考えられます。結果的に、この“遅いタイミング”が、経営判断のタイミングそのものを反映していたということです。
ポイントは、優待には「事前告知の義務」がないこと。導入・変更・廃止を“決めた時点”で開示すれば足りるため、配当や決算と同じく取締役会の議題に上がると、どうしても後ろ倒しになります。楽天はまさにそのパターンでした。
時系列で整理(JST)
- 2023/12/26 09:00:第27期で「データ通信専用eSIM(30GB)」の優待を新設
- 2024/02/14 15:00:同日の取締役会で配当は無配を決議しつつ、優待を「音声+30GB×1年無料」へ拡充(=“1年無料”の初出)
- 2024/12/06 15:30:第28期(翌年分)の株主優待を12月上旬に先出し告知
- 2025/02/14 15:30:配当(無配)決定を再度開示(第28期優待は前掲12/6発表のとおり)
- 2025/10/29 時点:第29期の正式告知は未発表(見立て:12月上旬)
他社との比較で見る楽天の特徴
12月末基準の企業の中でも、発表タイミングには大きな差があります。たとえば、ヤーマンは9月上旬、JR西日本は8月末に優待内容を出しています。つまり、一般的には権利確定の3〜4か月前に開示するのが主流です。楽天のように12月や翌年2月に発表するケースはむしろ少数派で、「遅い」と感じるのは自然な反応でしょう。
一方で、楽天のように配当や事業方針と連動して優待を決める企業では、発表時期が後ろにずれる傾向があります。特にモバイル事業のように業績変動が大きい領域を抱えている企業では、年末時点で状況を見極めてから判断するケースが多いのです。
どう追うか(私の実務メモ)
- TDnet(適時開示)と楽天公式サイト/IRを12月第1〜2週の平日・15時台中心に確認する。
- 告知から翌春(3〜5月)に申込期間が設けられるのが直近の型。期ズレに注意。
- 12月中旬を過ぎても告知がない場合は、2月の取締役会と同時発表の可能性を考慮。
まとめ
- 2024年2月の“1年無料”初出が権利落ち後に見えたのは、配当(無配)決定と同日決議→即開示だったから。
- 直近の運用は12月上旬に翌期優待を先出しする流れが見えており、2025年も同時期が本命。
- 優待は「決めた時に開示する」実務で動くため、固定カレンダーでの事前確約ではない。