FIREって今こんなにあるの?11タイプの違いと必要資金を一覧で紹介
FIRE(Financial Independence, Retire Early)という言葉は広く知られましたが、
「年間支出×25を貯めて完全リタイア」─Traditional FIRE─だけが FIRE ではありません。
米国コミュニティでは暮らし方・働き方・達成スピードを切り口に呼び名が増え続け、2025年のいまは11タイプまで語られるのが最新事情です。
この記事では、日本の最新平均生活費(二人以上世帯:月300,243円=年約360万円)を基準に、「各タイプのコンセプト」と「ざっくり必要資金」をまとめました。
※資金計算はすべて
(年間生活費 − 補完収入)÷0.04の4%ルールを用いた目安です。
11 タイプの概要と必要資金
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Traditional FIRE(トラディショナルFIRE)
平均生活費そのまま年360万円を運用益でカバー。
必要資金 約9,000万円。
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Lean FIRE(リーンFIRE)
生活費を平均の7割=年252万円に絞るミニマル派。
必要資金約6,300万円。
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Chubby FIRE(チャビーFIRE)
Lean ほど締め付けず、少し余裕を持つ年450万円想定。
必要資金 約1億1,300万円。
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Fat FIRE(ファットFIRE)
平均の2倍=年720万円で贅沢寄りの暮らし。
必要資金 約1億8,000万円。
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Barista FIRE(バリスタFIRE)
投資+週2〜3日のパート勤務。生活費の半分を給与で補う。
投資で賄う額180万円/年 → 必要資金 約4,500万円。
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Side FIRE(サイドFIRE)
投資+副業/フリーランス収入で自由度優先。
副業で年120万円稼ぎ、残り240万円を運用益に。
必要資金 約6,000万円。
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Coast FIRE(コーストFIRE)
老後必要資金を100%積んだら以後は投資を放置。
例)25年後に Traditional FIRE を達成したいなら今約1,700万円(年7%運用想定)で到達。
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Flamingo FIRE(フラミンゴFIRE)
「目標額の50%を貯めたらセミリタイア」する“片足立ち”戦略。
Traditional FIRE 基準なら4,500万円で一度ゴール。
※補足
2019年、豪ブログ〈Money Flamingo〉が提唱。「Coastだと遅すぎる」 「Side/Baristaは働き続け前提で不安」という声に応え、“10年ほどで完全リタイアに着地するつなぎ戦略”として誕生した。
Coastは「老後までの超長期で複利に丸投げ」だが、Flamingoは「50%×複利10年+生活費は副業で自力」という短期集中型。
Side/Baristaは取り崩しを前提に“半リタイアを続ける”のがゴール。Flamingoは期限付き助走で、資産が100%に膨らんだら労働ゼロを目指す点が決定的に違う。
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Slow FIRE(スローFIRE)
15〜25年かけてゆっくりTraditional FIREの資産へ。
今の生活満足度を下げたくない人の選択肢。
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Geo FIRE(ジオFIRE)
※Geoは“Geographic”の略。地理的アービトラージ、生活コストの安い地域へ移り、コスト差を利益に変えるという意味。
具体的には物価の安い国や地域へ移り、生活費を半分=年180万円に。
必要資金 約4,500万円。
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Passion FIRE / FIWOOT(パッションFIRE)
資産はTraditional FIRE水準以上あるが、情熱に沿ったフリーランス/副業を「好きで」続けるスタイル。
- 「FI(経済的独立)は達成済み、仕事は完全に選択制」
- Barista/Sideと違い労働は必須ではなく、取り崩し率を2〜3%に抑えて気ままに働く。
自分に合うタイプを決める3ステップ
- 年間生活費を把握
家計簿アプリ等で直近1年を“見える化”。 - 補完収入の許容度を考える – 副業かパートか、ゼロか。
- ゴール時期を決める – 5〜10年で卒業か、20年以上かけてじっくりか。
この3つを考えれば、
「Baristaで十分」 「仕事を定年までやめる気がないからCoastがよい」など、自分のロードマップがクリアになります。
まとめ
Traditional FIRE は“FIRE 1.0”。今は11タイプで細分化。
日本平均を基準にすると必要資金は約4,500万〜1億8,000万円。
カギは生活費・補完収入・達成時期の3つだけ。
筆者は現在はSide FIREを目標に、副業+投資で資産形成中。今回FIREについてまとめる中で、最終的にはPassion FIRE―「お金の心配なく、好きな仕事もして生計を立てる」段階に進むことも悪くないと感じました。
まずは支出を整理し、自分の数字で計算してみてください。
「まだ遠い」と感じても、Flamingo/Side/Baristaなど“中間ルート”は意外と近いはずです。